☆数字に 「勝い」 「弱い」 とは
会計や経理に苦手意識のある人は、数字に弱いと思っていることが多い。
経営では、確かに数字は大切だが、決して数字に強くなくてもいい。数字に対する“センス”があればいいのである。
数字に 「勝い」 「弱い」 といった表現をよく耳にすることがあるが、多くの人がイメージする 「数字に強い人」 とは、方程式をすらすら解くことができたり、暗算でワリカンの計算ができたりする人、つまり数字が得意な人のことを指すのだろう。
逆に、 「数字に弱い人」 とは、足し算や引き算くらいならできるが、それ以上のレベルの計算は苦手で、数字を見ると苦手意識、又は拒否反応が先行してしまう人のことをいうのだろう。
しかし、決算書を読んだり、財務分析をするのに、99%は足し算・引き算・掛け算・割り算、即ち加減乗除の世界であり、主として電卓さえあればできるのである。
☆物事をキチンと数字で押える
数字に対して、センスがあるかどうかを確かめる事例を示そう。
いま、次のようなキャンペーン広告を見て、どう判断しますか。
「50人にひとりが無料、キャッシュバックキャンペーン実施中」
ある商品を買うと、その場で50人に一人はタダになるのである。 「50人なら、当たるかも」 「へぇ、タダになるなんですごいなぁ」 「50人にひとりじゃ、仲々当たらない」 と答えた人は、センスのない人である。
「無料」 になるという観点でしか物事を考えず、あまりにも 「無料」 にとらわれすぎる。
広告主のねらいは、 「無料」 → 「お得」 という言葉が持つ絶大な力を使っているだけで、 「無料」 ということにたいした意味を置いていない。50人に1人とは、100人に2人、即ち2%の還元にすぎない。
現在の商戦では、2~3割の割引は常識であり、それ以上でないとお客さんをひきつけることは出来ない。
数字に対するセンスとは、 「たった2%の割引だ」 ということを、見破られるかどうか!! 「別の表現でいっている」 ことに気づくかどうかである。
要するに、 「無料」 という言葉や、表現のインパクトに惑わされずに、物事をキチンと数字で考えることができるかである。
成功事例は、全日空が2002年に実施した 「楽乗キャッシュバックキャンペーン」 である。目の前で何人もの人が、払い戻しを受けた状況は、たちまちにして口コミとして広がり、数十億円の利益を得たという。
☆決算書で使う数字のセンス
では、実際に決算書を読む場合、どこを、どのようにすればいいのか考えて見よう。
まず、すべての数字を均等に見ようとするから、わけがわからなくなるのである。 「いま自分にとって (会社にとって) 一番大切な数字はなにか?」 「どの数字を押えるべきなのか?」 を考えることである。
利益と一口に言っても、その立場や状況によって押えるべき数字は変わってくる。
社員は、営業利益を、社長は経常利益を、株主は配当を期待するため、当期純利益を見るものである。
押えるべき数字をきちんと押える人が、優秀な経営者といえる。そのためには、特定の数字を定期的に押える事が 「分析の極意」 である。又、提供された資料だけを見るのではなくて、昨年の数字と比べることや、同業他社の数字と比べることによって、問題点が見えてくる。
数字のセンスは、すぐ身につくものではない。日頃から、日比の生活の中で 「ちょっとした数字」 にも気を配ったり、数字の背後にある 「意味」 を理解する努力が必要である。
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